今更だけど、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』を読みました。
めっちゃ衝撃的でした!!
この作品は、ジョジョ4部の登場キャラクターである岸辺露伴がルーヴルへ行って、てんやわんやする物語(笑)ですが、作品の経緯や、作中に隠された芸術性が非常に凝っていて、ただの漫画で収まらず、まさに1つの芸術作品です。
少なくとも私はそう思っています。
私は漫画の中で、1、2を争うぐらいジョジョが好きですが、こちらの作品はジョジョを見ていない人にこそ見てほしい作品です。
もちろん、岸辺露伴が出るので、ジョジョを見てきている人は尚見てくださいね笑
目次
魅力1ルーヴル美術館から直々にお願いをいただく
ルーヴル美術館から荒木先生に漫画作品を書くようにお願いされました。
この時点でやばいですよね!
あの世界一有名な美術館からオファーがくるなんて、さすが荒木先生です。
今回、オファーされた経緯としては、ルーヴル美術館で、『バンド・デシネ プロジェクト』というものが開催されると決まり、日本の漫画家の参加を希望していた時に、荒木先生を知り、オファーしたとのこと。
ちなみにバンド・デシネとは、ベルギー・フランスを中心とした地域の漫画のことらしく、フランスでは、漫画は「9番目の芸術」として認識されていて、アートの対象だそうです。
そして、この作品を作るにあたって、ルーヴル側から以下の条件を出されました。
「ルーヴル美術館を題材に、オリジナルの作品を制作すること。取材や資料提供などの協力は惜しまないので、あとはイマジネーションの赴くままに物語を描いて欲しい。」
この条件のもとに荒木先生は構想を練りました。
ただ、この条件で書くには、本作は矛盾があります。
それが…
岸辺露伴が主人公であることです。
条件にはこのような文言があります。
オリジナルの作品を制作すること。
岸辺露伴は元々ジョジョのキャラクターなので、オリジナルではありません。
これについては、荒木先生はこのように語っています。
「新しくキャラクターを描き起こせばその人物紹介だけで何十ページも消費し、なかなかルーヴルの物語に入っていけないが、作者がキャラクターをわかっていれば、露伴を知らない読者にもスッと提示できる。」
なので、力技でルーヴル側に納得してもらいました…流石です笑
魅力2荒木飛呂彦-ルーヴルへ行く

百閒は一見にしかずという言葉の通り、聞いた情報でけで書くのではなく、荒木先生本人が実際にルーヴル美術館に行き、取材をしました。
なんと取材は2日間に及んだらしく、普段入れないルーヴルの地下や屋根裏などに特別に取材し、実際に本作中に出ている黒い絵があるZ-13倉庫のモデルとなっています。
そして、2日のうち1日が休館日だったらしく、ほぼ貸し切り状態で取材をしたそうです。
誰もが一度は行ってみたいルーヴル美術館を貸し切りで見て回れるのはかなり羨ましいですよね!!
取材もあり、作品はかなり鮮明に描かれています。
ルーヴルの通路や室内も描かれているので、実際に行ったことがある人は、「あ!ここ見たことある!」という箇所があるのではないでしょうか。
この観点で作品を見るのも一つの楽しみ方ですね!
魅力3全ページフルカラーで読み応え満載
なんと全ページフルカラーです。
荒木先生の作品としては、初のフルカラーです。
また、荒木先生のすごい所は、従来の色使いをすると読み手が疲れるので、新たに色彩感覚の勉強をしたそうです…
ファンとしては、ここまで考えてくださる荒木先生に感謝しかないですね。
これだけでジョジョファンは買いの作品ではないでしょうか。
中にはセクシーシーンも

いつもは白黒で見ていたセクシーシーンもカラーで見れるのも嬉しいですね笑
魅力4作中に実際の作品をオマージュしている

こちらは、ミケランジェロの作品『瀕死の
奴隷』をオマージュしています。
ここでこのポーズ、ルーヴルへ行ったらジョジョファンなら絶対やりたいですよね!

こちらはアントニオ・カノーヴァの作品『アモルの接吻で蘇るプシュケ』をオマージュしています。
さすが、漫画家とあって、かなりリアルに再現しています。
現物の画像は、著作権的に載せれないので、詳しくはググってください笑
他にも探してみると、オマージュしている箇所はいくつかあるので、調べてみるのも面白いですね。
魅力5背表紙がおしゃれ

背表紙をめくるとかなりおしゃれなデザインをしています。
むしろ表紙なしでも出せるレベルですね。
単行本でもたまに、背表紙が表紙と違うと「あ、この作品凝ってるな!」と思うのですがまさにそれです!
まとめ
どうでしょうか。
ジョジョ好きはもちろん見ているとは思いますが、芸術が好きな人にも目を通して欲しいです。
これから、ルーヴルに行った人やこれからルーヴルに行く人にとっても思い出の一つになるのではないでしょうか。
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